絵本のサンプル
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表紙
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拓哉くんに 贈る
世界でたった一冊の絵本1年前に拓哉くんに出会えたこと、神さまに感謝します。
この絵本は、大切な記念日のささやかな贈りものです。
これからも、ずっと一緒にいようね♪2019年10月1日
美咲より
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P1
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P2
石井 拓哉さんに
しあわせの花がたくさん咲きますようにしあわせのタネ
絵 大久保厚子 文 松塚しのぶ
クリエイト・ア・ブック
P3
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とても気持ちのいい日曜日。
拓哉くんが
神奈川県横浜市の公園で休んでいると、
何かが落ちてきました。それは、不思議な形をしていました。
「…なんだろう…」
P4
P5
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P6
「…なにかのタネかなあ…」
拓哉くんは、
それをポケットに入れました。それからなのです、
いろいろなことが
起こりはじめたのは…。P7
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ある日、散歩をしていると、
いろいろな声が聞こえてきたのです。拓哉くんが誰かとすれ違うたびに。
「…つかれたな…」
「…会いたいな…」
「…あやまらなくちゃ…」
それは通り過ぎた人たちの
心の声でした。P8
P9
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P10
いつも見かける女性と犬にすれ違うと、
「…こんにちは…」
ふしぎな声が聞こえたのです。「…え、もしかして、犬の声?…」
拓哉くんは驚いいて
「いま、何か言った?」
犬に話しかけました。「よくしゃべるのよ」
女性は楽しそうに笑いました。そして、
「…きっと動物が好きなのね…」
女性の心の声が聞こえました。ポケットの中で、
タネはふんわりと光っていました。P11
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拓哉くんは、
タネがポケットに入っていると
動物たちの声も聞こえることに
気づきはじめました。どこかで何かが歌っている。
誰かがしゃべっている。
P12
P13
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P14
拓哉くんはつぶやきました。
「…まさか、猫たちや風、
木の葉や花や鳥たちと話ができるなんて…」タネのふしぎなチカラを感じながら。
P15
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ある日、散歩していると、
女性がベンチに座っていました。「…つらいな、つらいな…」
拓哉くんが聞いたのは、
心の声でした。「…ママ、元気になって…」
犬の声も聞こえました。
タネを持ってから、喜び、悲しみ、苦しみ、
心の声が聞こえるようになっていたのです。P16
P17
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P18
拓哉くんは
鳥や風や猫たちに
たずねました。何かできることはないかと。
ポケットのタネを握りしめながら。
P19
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すると風は優しくあたりを包み、
鳥は楽しい歌をさえずりました。猫も足下に静かに寄り添い、
頬ずりをしたのです。拓哉くんは
周りの空気が温かく変わっていることに
気づきました。P20
P21
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P22
「こんにちは、いいお天気ですね」
拓哉くんは話しかけました。「あら、ほんと、今気づいたわ。いいお天気。」
女性は空を見上げながら言いました。そして、心の声が聞こえてきました。
「…ふしぎ。
とても元気になったわ。ありがとう…」「…ありがとう…」
寄り添っている犬の声も聞こえました。いつしか女性に微笑みがかえり、
拓哉くんの心も
温かくなっていました。P23
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タネを持ってから拓哉くんは
今まで気づかなかったことに
気づき始めました。笑顔になると
笑顔の輪が広がること。いつも笑顔でいると、
幸せな気分になって
前向きになれること。P24
P25
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P26
タネがあると、
楽しい思いつきも、次々と浮かびます。「そうだ、手づくりメニューで
大樹や、健太や、美咲を
おもてなししよう。
いっしょに食べるだけでうれしくなるから」おいしいものは、幸せのタネ。
P27
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寒い日はみんなに
温かい紅茶をいれてあげよう。
暖まるだけで、笑顔になるから。湯気は、幸せのタネ。
暑い日にはみんなに氷を入れて
ジュースを作ってあげよう。
冷たいだけで、ふ―っとほどける。ガラスのしずくは、幸せのタネ。
拓哉くんはつぶやきました。
「…みんなの笑顔にありがとう…」
P28
P29
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P30
拓哉くんは
タネを持ってから、今までより自分が
「ありがとう」を
たくさん言っていると感じていました。気づくと歌を口ずさんでいて、
心が軽くなっていることも。P31
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「…ふしぎなことはぜんぶ、このタネのおかげ…」
そう思いながら、
タネをさわろうとしましたが
どこにもありません。拓哉くんは
胸に手を当てながら、つぶやきました。「もうあのタネはいらない。だってここにあるから」
P32
P33
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P34
幸せのタネは、夢のタネ。
みんなの心の中にあります。嬉しいことや楽しいことが降り注いで、
素敵な花を咲かせます、拓哉くんは、いま26歳。
拓哉くんにこれからも
もっともっと幸せなことが起こりますように。P35
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裏表紙