絵本のサンプル
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表紙
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さとうけんたくんヘ
せかいで たった いっさつの えほんけんちゃん、はじめまして!
げんきで、すくすくそだってください!
2011年12月吉日
おじいちゃんとおばあちゃん より
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P1
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P2
ようこそ! けんちゃん
ようこそ! あかちゃん
なかえよしを・作 上野紀子・絵
クリエイト・ア・ブック
P3
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こうのとりが
けんちゃんを
おとうさんの しんじさん
おかあさんの ともこさんに
とどけるために
しずおかに むかって
とんでいました。
「けんちゃんが うまれる
2011ねん11がつ21にち
ごぜん7じ30ぷんまでには
まだ だいぶ じかんも あるなあ。
ちょっと ひとやすみして いくかな。」
こうのとりは ずっと とびつづけて いたので
つかれていたのです。P4
P5
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P6
こうのとりは きれいな おはなばたけに
まいおりました。
「きもちのいい おはなばたけだ。」
こうのとりが そういって やすんでいる あいだに
けんちゃんは はいはいしておはなばたけの さんぽに でかけました。
P7
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けんちゃんが おはなばたけに
はいって いくと そこに きれいな
ようせいの おうじょさまが あらわれました。
「ここからは ようせいの くにですよ。
ようせいで ないと はいれませんよ。」
けんちゃんは
なんの ことだか わかりません。
すると ようせいの おうじょさまは
「けんちゃんを
ようせいに して あげましょう。」
と いって つえを ふりました。P8
P9
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P10
すると けんちゃんの せなかに
かわいらしい はねが はえました。
はねが はえると
そこに ちいさな はなの ようせいが あらわれました。
「わたしが ようせいの くにを あんないします。」
けんちゃんは
はなの ようせいの あとに ついて
おはなばたけの うえを とんで いきました。P11
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「ようせいの くにの おともだちに
しょうかいして あげましょう。」
はなの ようせいは けんちゃんを
みんなの ところに つれて いきました。
「みなさ-ん あたらしい ようせいの
けんちゃんですよ-。」
おはなに たくさん ちいさな ようせいたちが
あつまって きました。
あたらしい おともだちが できて
みんな うれしそうです。
「けんちゃんの
かんげいかいを しましょう。」
みんなが いいました。P12
P13
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P14
ちいさな ようせいたちは
けんちゃんの ために
ジュースを つくろうと
たくさん くだものを もって やって きました。
けんちゃんの ための ごちそうです。
「どうして みんな はじめて あったのに
こんなに しんせつに して くれるの?」
「だって けんちゃんの
よろこぶ かおが みたいんだもの。」
ちいさな ようせいたちが こたえました。
けんちゃんは うれしくて
ジュースを いっぱい のんで しまいました。
「それでは こんどは みんなで
かくれんぼを しましょう。
わたしが おにに なるから
みんな かくれて いいですよ。」
と はなの ようせいが いいました。P15
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それを きくと みんなは あっと いうまに
おはなの かげに かくれました。
けんちゃんも いそいで
おはなの かげに かくれました。
でも みんな すぐに
はなの ようせいに みつかって しまいました。P16
P17
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P18
「こんどは おにごっこを しましょう。」
はなの ようせいが いうと
「こんどは けんちゃんが
おにに なる。」
と けんちゃんが いいました。
「えっ けんちゃんが?」
みんなは おどろきました。
「どうして おになんかに なるの?」
と みんなは けんちゃんに
たずねました。
「だって みんなの よろこぶ かおが みたいんだもの。」
と けんちゃんは こたえました。P19
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みんなは けんちゃんが
こころの やさしい こだと おもいました。
それで ようせいの おうじょさまが
けんちゃんを ようせいに
したんだと おもいました。
ちいさな ようせいたち みんなは
そら たかく のぼりました。
とりさんが やって きて
びっくりぎょうてんしていました。
けんちゃんは たのしくて たのしくて
いつまでも とびまわって いました。P20
P21
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あまり とびまわって いたので
みんな つかれて しまいました。
ちいさな ようせいたちは
おはなの うえに まいおりて
おはなの つぽみの なかで おひるねを しました。
けんちゃんの まわりに みんな よりそって
しあわせそうに ねて しまいました。P23
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しばらく ねて いると
どこからか かすかな こえが きこえて きました。
「けんちゃん。」
「あっ こうのとりの こえだ。」
みんなも
「きこえる きこえる。」
と いいました。
けんちゃんが みあたらないので
こうのとりが しんぱいして さがして いるのです。
「もう いかなくては。」
けんちゃんは いいました。P24
P25
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P26
「また あそびに きても いい?」
けんちゃんが たずねました。
「でも にんげんに なったら
ようせいで なくなっちゃうから
わたしたちの ことなんて きっと わすれちゃうよ。」
ちいさな ようせいたちが いいました。
「ぜったいに わすれない!」
けんちゃんは おおきな こえで いいました。
「さようなら また くるね。」P27
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けんちゃんは
こうのとりの こえの する ほうヘ
ようせいの くにの おはなばたけから
でて いきました。
すると けんちゃんの
せなかの はねが きえました。
「さようなら また あそびに きてね。」
ちいさな ようせいたちは
けんちゃんに てを ふりました。P28
P29
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けんちゃんが いって しまうと
ちいさな ようせいたちは
「けんちゃんは
わたしたちの ことなんか
すぐに わすれちゃうよ。
もう ようせいじゃあ ないんだから。」
「そうだよね。はねが ないんだものね。」
と かなしそうに いいました。P31
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すると そこに また
ようせいの おうじょさまが あらわれました。
そして いいました。
「だいじょうぶ。けんちゃんは
こころが ようせいに なりましたからね。
はねなんか なくても いつまでも
みんなの ことを わすれませんよ。」
ちいさな ようせいたちは あんしんしました。
「そうだよ。けんちゃんは
ようせいの こころを もった
ステキな にんげんに なるよ。」
「そうすれば きっと また あそびに きて くれるよ。」P32
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けんちゃん
ようせいの こころ わすれないでね!
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けんちゃんは
ちゅうおうびょういんの
おおいしせんせいの おかげで
しんちょう 55センチ たいじゅう 3200グラムで
たんじょうしたのでした。おとうさんと おかあさんは
けんちゃんが うまれて だいかんげきでした。おじいちゃんや、おばあちゃんや、
ゆきおねえちゃん、よしこおばさんが
けんちゃんの たんじょうを
おいわいして くれました。それを みとどけると こうのとりは
まんぞくそうな かおを して かえって いきました。 -
裏表紙
<こんな方へ>